読書メモ♪「永田町 小町バトル」 [本]
先日初めて読んだ西條奈加さん。
時代小説から現代小説まで幅広く手掛けられているとのことで、
先日読みましたのが時代モノの「九十九藤」でしたが、
図書館で、この方の現代モノ(らしき)作品がありましたので
借りてみました。
「永田町 小町バトル」(西條奈加さん)
感想を一言で申しますと、
「題材はおもしろいと思いましたが、ちょっとザンネン(?)」
物語のあらすじは、
野党 民衛党から出馬し初当選した「現役キャバ嬢」にしてシングルマザーの
芹沢小町と、
与党 自雄党の期待の新人、病で急死した父の地盤を継いだ小野塚遼子、
メディアも注目するこの2人の新人女性議員のバトル・・
が描かれた物語。
帯の紹介文では次のように作品のあらましが紹介されています。
「保育園落ちて、仕事を辞めた。
生活も育児も八方塞がり・・・。
こんなニッポンじゃ子供が産めない!
社会の矛盾、私が変える!
新人代議士 芹沢小町の挑戦」
「『~法律変えて、予算を勝ち取る~ それができるのは国会議員だけなのよ』
野党 民衛党から出馬し、初当選した芹沢小町は、
現役キャバクラ嬢にしてシングルマザー。
夜の銀座で働く親専門の託児施設を立ち上げた行動力と
物おじしないキャラクターがメディアで話題となり、
働く母親たちから熱い支持を集めたのだ。
待機児童、保活、賃金格差、貧困・・・、
課題山積みの『子育て後進国』ニッポンに、男社会・永田町に、
小町パワーは風穴を開けられるのか?!」
という内容で、
題材は大変興味深い作品だと思いましたが、
内容の大半が、
「国会」「政治」「保活」「待機児童」「子供の貧困問題」・・
といった内容の【説明】に費やされていて、
【小説】というより、こういった問題の【レポート】【資料】を
読んでいるような感じがしたのが
個人的に少し残念でした。
確かに、
そういった問題について、
すごくよく分かり、勉強になったとは思うのですが、
【小説】と思って手に取りましたので、
そのあたりの【説明】はもう少しコンパクトにまとめていただき、
物語の展開として、
国会を舞台にした、「子育て関連の政策」をめぐって
小町さんと遼子さんのバトル、
頭の固い&古くさい男性年配議員相手に
(そのときは小町さんと遼子さんは協力して)戦う場面などを
もっと描いていただけたら、きっとおもしろい小説だったと思う・・と
ちょっとザンネンでした。
いや~、それにしても、
今の時代、子供を育てることは本当にタイヘンなんだな・・と、
まったく当事者ではない私ですら
レポのような説明部分を読んでいるだけでゲッソリしてしまいました。
仕事で、産休・育休に関する手続きをすることも多いですが、
お子さんが1歳になるとき(あるいはそれまでに)に育休を終了して
仕事に復帰される方は本当に少なく、
ほとんどの方が、「保育所が見つからない」ということで
1歳半、2歳・・と育児休業を延長されている感じです。
大変申し訳ないのですが、
それに対し、正直、
「(保育所って)そんなに厳しいの? そんなに見つからないの?」
って思ってしまうこともありましたが
この本を読み、現実は本当に厳しいんだなということがよく分かりました。
西條奈加さんの作品はこれで2冊目で、
時代モノと現代モノをそれぞれ1冊ずつ読みましたが、
どちらにも共通して描かれていたのは、
「『専業主婦』という立場は、いつどうなるか分からない。
働き手であるダンナさんに何かあったら、
たちまち生活がたちゆかなくなる・・という不安定な立場だ。
だからできれば仕事をして、
いつ何が起きても生活できるようにしておきたい。」
という感じの考え方。
この作家さんが、ご自身の体験からそのような考えをお持ちになり、
それをテーマ(?)にして作品を書かれているのか
そのあたりは分からないのですが、
この2冊からは、そういった考えが作品の行間に描かれているような
印象を受けました。
また機会があれば他の作品も読んでみたいです。
<本日のトレーニング>
・ ウォーキング&ジョグ 14キロ
(2キロW+12キロJ)
・ 補強運動
だいぶ暑くなってきました。
でも今日は青空で、ここ最近の中ではカラっとしているように思いました。