読書メモ♪「五色の虹」 [本]
先月読み終わっていた本でしたが、
読書メモを書けず・・でした。
８月２日の夜、
地元のお友達のＳちゃんが、仕事帰りに立ち寄ってくれて、
「特に『お見舞い』 はしないので・・。
ｋｅｒｏちゃん、今月お誕生日やったよね？ なので、お誕生日のプレゼントに(^^)
私、最近読んでよかったから(^^)
病院の待ち時間にでも読んで(^^) 」
と言って、プレゼントしてくれた本です(^^)
（ご参考 → http://genkikeroyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-03#more ）
「五色の虹 ～満州建国大学卒業生たちの戦後～ 」 （三浦英之さん）
感想を一言で申しますと、
『静かな感動を覚える本でした 』
日中戦争当時、
日本が満州国に設立した最高学府「建国大学」。
日本政府が、その傀儡国家における将来の国家運営を担わせようと、
日本全土・満州全域から選抜した「スーパーエリート」の集った大学。
日本人だけでなく、
中国、朝鮮、モンゴル、ロシアからも選び抜かれた若者たちが集められ、
共同生活をしていたようです。
しかし、終戦とともに大学は終わり、
日本人学生の多くは敗戦直後シベリアに送られ、
帰国後も、大学の特殊性のため、激しく弾圧・迫害され、
高い学力・語学力を有しながらも、能力相応の仕事に就くことができなかったようです。
外国人の学生にいたっては、
「日本の帝国主義への協力者」とみなされ、逮捕、拷問に及んだ人たちもいたようで・・。
この本は、
建国大学の卒業生たちの「その後」を追ったノンフィクション。
私は、
満州国の時代のドラマ？は見たことがあり、
本も読んだことがあったかなぁ・・で、この時代の作品は好きですが、
「建国大学」のことは知りませんでした。
言論統制などが厳しかったと思われる日中戦争の時代に、
５つの民族のエリート学生が寝食を共にし、
「言論の自由」をモットーとした教育がなされていたという「理想的な国際大学」。
「永遠の０」を読んだときも思いましたが、
この作品も、読んでいて、この時代の若者の「純粋」さ、「真剣」さに心打たれます・・。
学力が高く、国際交流も経験しており、人間的にもすばらしい人たちなのに
戦後、その能力にふさわしい活躍の場が与えられなかったことが悲しいですし、
損失だと思います・・。
著者の三浦さんは新聞記者さんですが、
１つ１つの取材の様子、内容は、
淡々とした文章のようでいて、引き込まれました。
取材での、卒業生の方たちの言葉、行動は心に残るものが多くありました。
大連に住む卒業生に取材中、
話が「長春包囲戦」に及んだ時に、
中国政府から盗聴されていたのか、取材が中止に追い込まれ、
三浦氏は、その後、長春で控えていた取材も中止に追い込まれました。
この取材（大連、長春、ソウル、台北、カザフスタン）が行われたのは２０１０年なので
ごく最近のこと。
今でもそういうことがあるんや・・と衝撃でした。
２０１０年、
三浦氏が、依頼された仕事の取材中にこの「建国大学」のことを知り、
卒業生のことを取材することになったのですが、
このタイミングでないと、
この「ノンフィクション」が世に出ることはなかったかと・・。
卒業生はすでに何人かは鬼籍に入られ、取材可能な方も高齢。
実際、
三浦氏は取材のあと、原稿を早く完成させるつもりでしたが、
東日本大震災が発生、被災地への赴任を命じられ、
その後、海外留学の機会を与えられたり・・で、
原稿の完成は２０１４年。
三浦氏は、ノンフィクションの場合、
完成原稿を取材した方に確認していただくことを心がけておられるそうですが、
取材された方のうち、すでに鬼籍に入られた方が・・。
そうした状況の中、
三浦氏は、作品化を断念し、
原稿は、「建国大学同窓会」にお渡しすることにされたそうですが、
同窓会の方々が、
「せっかくここまで取材されたのだから」と、
裏付け作業を進めて下さったのだとか(;;)
そうした苦労の末、２０１５年に完成したのがこの本。
「永遠の０」でも、病をおして話を聞かせてくれた方が、
「半年前に、医者から、あと３ヵ月と言われたのにまだ生きています。
なぜ今日まで生きてきたのか今分かりました。
あなたたちにこの話をするために生かされてきたのです・・・」
と言われたところがありましたが、
取材に応じて下さった方たちも、「今、このときでなければ」というタイミングだったと・・。
読み終わって、自分自身もいろいろ「思うこと」はありましたが、
「知られていない歴史」は他にもたくさんあるんやろな・・と思った１冊でした。
＜本日のトレーニング＞
・ ジョグ２０キロ
・ ランジ
・ エクササイズ（腹筋、背筋、腕、体幹メニュー）
１週間、やはり疲れましたので、少しゆっくり起きました。
７時頃起きまして、８時頃からＲＵＮ。
この時間に走ったのは久しぶり。
すでに日が燦々と照っていて暑そうでしたが、
風はまだ、少しひんやりしてるかな・・という感じ？
地元の公園の大回りコースを
１周ごとに逆回りして３周。
３周めは暑かったです(^^;
ご自宅までお届けのプレゼントはこれだったんですね！
“読んでみたいけど手が出ない”本の中の１冊です。
keroさまレビューを斜め読みして、ますます読みたくなりました。
こういうプレゼントもいいですね（*^_^*）
by liang (2016-09-04 05:44)
誕プレのようで暑中見舞いのようで...との位置づけからホワンと心があったかくなるような本をイメージしていたのですが、硬派でした!
でも勉強家のkeroyonさんにぴったりですね～。
by ポッポ (2016-09-04 10:25)
知られていない歴史ってたくさんありそうですね。この本、読んでみたくなりました。が、枕元には読み終えていない本の山が…(汗)。
by Yoshiki (2016-09-05 22:10)
みなさま、ご訪問・コメント・ｎｉｃｅをありがとうございました！
★ｌｉａｎｇさまへ
先月いただいたプレゼントの本はこれでした(^^)
私もたぶん、本屋さんで目にしても自分では買わなかったと思い
ますので、新たな出会いができ、プレゼントしてくれたＳちゃんに
感謝です。
★ポッポさまへ
読み進めながら、「Ｓちゃんが好きなのが分かるなぁ」と思いつつ・・。
ノンフィクションはあまり読みませんので、自分では購入することは
なかったと思います。新たな出会いに感謝です(^^)
・・・そんな、「勉強家」ではないですよ～～(^^;
★Ｙｏｓｈｉｋｉさまへ
本当、知られていない歴史って、まだほかにもたくさんありそうです
よね・・。
私も、だいぶ前に購入したっきりまだ読んでいない本が・・(^^;
図書館で借りますと、そちらの締切に追われてしまいまして・・(^^;
by keroyon (2016-09-05 23:07)