読書メモ♪「銀二貫」 [本]
今回も、初めて読む作家さんでした。
「銀二貫」 高田郁(たかだかおる)さん
この方の、別の「シリーズ作品」は、
母が読んでよかったらしく、勧めてくれていましたので
「読みたい本リスト」に入れておりましたが、
その前に、この「銀二貫」をば。
ワタクシは見ていませんが、以前、ドラマにもなったそうですね。
今回、読みたいと思ったきっかけは、
昨年秋、宝塚バウホール(=宝塚大劇場に隣接の500人収容の小劇場)で、
この作品を原作にした「銀二貫」が上演されておりまして(雪組公演:月城かなとさん主演)、
ワタクシは最近、バウホール公演まで手が回らないため観ていませんでしたが、
「歌劇」誌などを見ていますと、
山本周五郎さん、藤沢周平さんの「江戸時代モノ?」っぽい、よさそうな作品のようでしたので
公演は見ておりませんが、せめて原作だけでも読んでみたい・・と思い、
図書館でお借りしました(^^)
感想を一言で申しますと、
『よかった(;;) ・・・感動しました(;;) 』
『宝塚バウホール公演にぴったりの作品やな~と思いました』
二言になりました(^^;
いや~~、よかったです(;;)
ワタクシがこれまで読んだことのある中では、
山本周五郎さん、藤沢周平さんの、「江戸時代の庶民の暮らしを描いた作品」と、
あと、百田直樹さんの「影法師」とも似たような雰囲気のある、
泣けてくるけど、心が温かくなれる作品だと思いました。
この作品も、これまた「いい人」ばかり出てくるんですよね~。
ごくわずか、悪い人も出てきましたが、
まぁ、「いつの時代でもそういうズルい人はいてるよね」・・というような人たち、
その人たちによって、かえって、「いい人」たちを引き立てていたような。
(ちょっと)ネタバレですみませんが、
最後の最後はハッピーエンド、
ほんまによかった(;;) と泣けてきますが、
そこに至るまで、
何度も何度も何度も何度も試練があり、
何年も何年も何年もかかってようやく・・という感じ。
「いい人」たちは、単なる「お人よし」という感じではなく、
大坂商人として「信念をもった」「一本筋の通った」「懐の大きな」人たちばかり。
主人公と同じ丁稚仲間の親友男子もこれがまたいい子で・・(;;)
主人公が、何年も何年も苦労して作り出した「技術」も、
主人から「それで独立したらどうや」との勧めがあったにも関わらず、
欲張って自分が独占することなく、取引先に広めたおかげで、
それがかえってお店の評判を上げ、
小さなお店だったのが、物語の終わり頃には大店になり、
それまでは、「銀二貫」を貯めるのに10年近く費やしていたのが
2年で貯めることができた・・・というほど、お店は成長しておりました。
キーワード?の「銀二貫(=当時の大金)」は、
火事で焼失した大阪天満宮(=当時の大坂商人の心のよりどころ)の再建のために
店の主人と番頭さんが何年も苦労してためたお金でしたが、
それを、やむにやまれぬ理由から、二度(正確には2.5度?)にわたって
別の人を救うために使うことになり・・。
その「懐の広さ」には泣けました・・。
「一度め」は、店の主人が、
当時10歳の子どもだった主人公を救うために使ってしまったのですが、
信心深い番頭さんは、
そんなことに使わずに天満宮再建のために寄進してほしかったため、
主人公はそののち、番頭さんからそのことでずっと恨まれて、
ことあるごとに辛くあたられてしまうのですが、
何年もかかって、そのわだかまりもとけていき、
最後には信頼され、かわいがられるまでになっていきます(;;)
主人公は、だいぶあとになってからですが、
その「一度め」の「銀二貫」が、
(それを受け取った人が)自分の故郷を救うために使っていたことを知り、
これまでのすべてが報われた気持ちになって・・というところも号泣(;;)
この作品を読んで、
人間やっぱり、
「地道に、マジメに、コツコツやっていくこと」
「あきらめないこと」
「欲張らないこと」
が大事なんかなぁと改めて思いました。
それとやっぱり、
「自分がしたことはすべて自分にかえってくること」ということも・・。
それにしても、江戸時代、
大坂の町は本当に火事が多かったのですね・・。
家の材質も原因だったでしょうし、建て混み具合?などもあってか、
燃え広がり方も今よりは早かったのでしょうね・・。
この時代の、江戸を舞台にした作品を宝塚で観たことがありますが、
そこでも「火消し」さんが登場していましたので、
江戸の町もおそらくそうだったのではないかと思います。
この作品の舞台は今で言うところの大阪市内、
主人公の奉公先の寒天問屋は大阪天満宮のあたりで、
そこを拠点に、心斎橋、長堀橋、島之内、堀江・・・などなど、
ワタクシが日々、仕事で行き来しているあたりの地名がたくさん登場していますし、
仕入先の寒天場は京都の伏見・・ということで、
大学時代に親しんだ地名が出てきたり・・(^^)
ことばづかいは、まさに今、
「あさが来た」で、出演者のみなさんがしゃべっておられる大阪ことば・・と言いましょうか、
大坂あきんどの言葉づかい・・ということもあり、
それらすべてから、より、この作品に親しみを感じたかもしれません(^^)
宝塚バウホール公演は、最近はまったく観れていませんが、
以前は、何年か、実際に観劇していましたし、
衛星放送で放送してくれたものを録画で見たり、
お友達が貸してくれたビデオ、DVDで見たり・・でしたが、
日本モノもかなり上演されています。
山本周五郎さんの「さぶ」(=録画で見ました)も泣けましたし、
これは原作は特になく・・だったかと思いますが『月の燈影』なんかも好きでした(;;)
「冬物語」もよかったなぁ・・(;;)(←春野寿美礼さんの歌がしびれた)
今回の「銀二貫」は、原作がいいですし、
主人公の一途な恋心なども描かれていますので、
宝塚バウホール公演にふさわしい、ぴったりの演目になりそう♪ という感じ。
きっといい作品になっていたんやろな~と(^^)
内容のよさに加え、感じのよい主題歌や挿入歌なんかが折々に入りますと
それがまたいい効果を出していて、泣けてきたりするんですよね~。
そこは「読書」にはない魅力♪
主演をされた月城かなとさんは見目麗しいお方だし、
あ~~、観たかった・・・(^^;
宝塚バウホール公演は、演目や主演者にもよりますが、
公演期間が短く、客席も500席ほどですから
人気の公演はチケット入手がかなり厳しくて、
苦労して手に入れて観劇したのも懐かしい(^^)
以上、今回の「読書メモ」は、
「宝塚歌劇で上演された演目の原作から新規開拓シリーズ?」・・・でした(^^)
<本日のトレーニング>
久しぶりに朝練、
・ ジョグ10キロ
・ エクササイズ(腹筋、背筋、腕)
昨日、急なことでオフとしましたし、
本日は、仕事のあとは走る時間が遅くなりそう・・ということで
朝練習しました。
4時起き、4時半くらいから。
久しぶりの朝練、
以前、朝に、インターバルをしていたときとは(公園内の)違うコースを走りましたが、
懐かしいメンバーさんのお顔を拝見し、うれしくなりました(^^)
2往復目を走っておりましたら、
見覚えのある後ろ姿&歩き方のおじいちゃん・・と思いましたら
・・・・・アメちゃんのおじいちゃんでした(^^)
ご挨拶(^^)
横に並びかけますと、おじいちゃんも気付いて下さり、
「久しぶり、元気か?
あっちから見えて、似てるなぁと思っとったんや。」
と言って下さり、少しだけお話(^^)
同じマンションの、「ホウレンソウのオバチャン」のご主人にもお会いできました(^^)
オバチャンは、やっぱり最近も夜に歩いておられるらしい・・。
・・・・・それにしても、日曜の峠走による筋肉痛が辛い(><)
「下り坂」の免疫?は、やっぱり4ヵ月ほど経ちますとなくなってしまいますね(^^;
この作家さんも読んだことないなー( ̄◇ ̄;)
宝塚になるくらいやから、きっと良く出来た作品なんやろね。
飴ちゃんのおじいちゃんやら、
ホウレンソウのおばちゃんやら、
keroさんの周り、そんなんばっかりやん(;^_^A
by よーちゃん (2016-03-16 08:02)
地名などで馴染みのあるところが出てくるとぐっと親近感を覚えますよね。
ところで、ちょんまげ姿のジェンヌ様って想像つきません。どういう感じなのでしょう。
by ポッポ (2016-03-16 15:01)
★よーちゃんさまへ
私も初めてでした~。
宝塚で上演されたので、作品名と作家さんを知り、たまたま同じ頃
母から「みをつくし料理帖」シリーズがよかったという話を聞きました。
「みをつくし・・」は、北川景子さん主演でテレビドラマになったよう
ですが私は知りませんでした(^^;
今回の作品も「寒天」のことが出てきましたが、「あとがき」で紹介
されていたんですけど、この作家さん、取材に時間をかけられ、
小説でとりあげるお料理はすべて自分で試されるそうなので、
書くのにものすごく時間がかかるんだそうです。
お料理をテーマにした作品が多いのかも・・です。
アメちゃんのおじいちゃん、ホウレンソウのおばちゃん・・。
食べ物をいただく機会が・・(^^;
by keroyon (2016-03-17 00:07)
★ポッポさまへ
知っている地名やなじみのある場所が出てきますと親近感を
覚えますね(^^)
ちょんまげ姿のタカラジェンヌさん、想像つきませんか(^^)?
ポッポさまは源氏物語はご覧になられましたので、平安装束は
見られましたよね(^^)
戦国時代や江戸時代のお話もいろいろ上演されましたので
(新撰組のお話なども)青天の鬘姿なんかもありましたよ。
「銀二貫」はこんな感じでした(^^)↓
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2015/gin2kan/index.html
by keroyon (2016-03-17 00:07)