読書メモ♪「光のとこにいてね」 [本]
初めて読む作家さんです。
仕事帰りにちょくちょく立ち寄る高島屋の本屋さん(丸善さん)で
平積みされているのを見て、読んでみたいと思いました。
●「光のとこにいてね」(一穂ミチさん)
感想を一言で申しますと、
「少し切ない、心に沁みる作品でした。
ラストシーンは、このあとどうなるんだろう・・と続きが気になります。」
・・・2文になりました。
表紙の帯には、
「二人が出会ったたった一つの運命。
切なくも美しい四半世紀の愛の物語」とありますが、
この【二人】は男女ではなく、
小学校時代に出会った2人の女性。
裏表紙側の帯で、あらすじが分かるかと。
「古びた団地の片隅で彼女と出会った。
彼女と私はなにもかもが違った。
着るものも食べるものも住む世界も。
でもなぜか、彼女が笑うと私も笑顔になれた。
彼女が泣くと私も悲しくなった。
彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。
ずっと一緒にはいられないと分かっていながら
一瞬の幸せが永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。
どうして彼女とかじゃないと私は幸せじゃないんだろう・・・。」
物語の進み方は
2月に読みました「本屋さんのダイアナ」と似ています。
作品の「W主役」といえる2人の女性が、
章ごとに、それぞれの目線から語られる形式の物語。
(「汝、星のごとく」もそうでした。)
2人の女性のそれぞれの家庭環境の設定も
「本屋さんのダイアナ」と似ていて
1人は、両親健在で経済的に恵まれた家庭、
もう1人は、母子家庭で経済的にも余裕のない家庭
・・となっています。
「本屋さんのダイアナ」では、
2人の少女とも、家庭環境は ↑ ですが、
それぞれの両親、母は、2人の少女への愛があふれている設定なのですが、
今回の「光のとこにいてね」では
2人とも、両親、母の愛が感じられない家庭で育っているという設定。
そのあたりも、今回の作品が切なく感じる理由かと思います。
ラストは・・・、
個人的にはちょっとショックな展開で・・。
これはハッピーエンドなんだろうか、
2人にとって幸せなんだあろうか・・と、
この続きが気になる締めくくりでした。
ともあれ、物語に引き込まれる作品で、「第168回 直木賞候補作」も納得、
読みごたえがありました。
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