読書メモ♪「流転の海 読本」 [本]
4月に、
宮本輝さんの「流転の海」シリーズの最終巻「野の春」を購入した際、
本に挟まっていた「今月の新刊」のリーフレットに載っていて、
「流転の海」シリーズの【ガイドブック】みたいな本が
発売されていることを知りました。
「流転の海 読本」(堀井憲一郎さん)
9巻からなる「流転の海」シリーズ、
超大作で、登場人物の数も膨大です。
(本書より)堀井さんによれば、
「『流転の海』シリーズ全9巻には、膨大な数の人が出てきます。
数え方にもよりますが、中心人物に関わった人の数は
おそらく千五百人を超えていると思います。
(略)そうなるとすべての人を覚えているというのは
なかなか難しいことになってきます。
『あなたは、どちらさまだったでしょうか』と
小説を読みながら、ふと、小さい声を出してしまうこともあるかもしれません」
・・・分かります(^^;
しかも、だいぶ前の巻に出てきた方が、
ずいぶん後になってまた登場される・・ということもありますので
「この人はどういう人だったっけ」
「この人に関するエピソードは確か・・」
とかいう感じで、
「確か〇部のこのあたり・・」とか思い出しながら
前の巻のページをもう一度めくってみたり・・もしました。
そういうとき、
この「流転の海 読本」がありますと、
主要登場人物388人の索引がありますので
その方が、何部の何ページに出てきたか・・が調べられますので
該当の部とページをすぐ見ることができるのです!
でも、この本を
最初から購入する気満々だったわけではなかったのですが、
シリーズを読み始め、第7部くらいを読んでいた頃、
お昼休みによく行く本屋さんで
シリーズ最終巻「野の春」と並んで「流転の海 読本」が平積みされていたので
手に取ってみまして。
ぱらぱらと中身を見て、
【あまりのおもしろさ(?)】に吹き出してしまい(^^)
購入した次第。
表紙の帯にもありますが、
本書の内容は、
・主要登場人物388人の紹介(索引付)
・各部 あらすじ
・舞台となった土地の地図
・両一族の系図
・各巻人物相関図
・年齢早見表
など
となっています。
なかでも、私個人的にいちばん感動した(=おもしろかった)のは
第5部「花の回廊」の舞台となる尼崎の「蘭月ビル」の【見取り図】ですかね。
第5部では、
松坂一家は大阪に戻るものの
両親が住む家に伸仁くんも一緒に住むことは難しく、
伸仁くんは叔母さんに預けられます。
その叔母さんが暮らしていたのが、尼崎の「蘭月ビル」。
建物の名前は立派ですが、
言葉は悪いですけど「『貧民窟』のような住まい」という設定。
住人の国籍もさまざまで、
さまざまな人が、さまざまな事情を抱えて暮らしている・・というアパート。
住人の事情も複雑なら、建物の構造(?)も複雑で。
もともとは、道を挟んで向かい合う二棟の細長い長屋だったのが、
どういういきさつからか、
二棟の長屋をまたぐ格好で二階部分が増築されて
一棟のアパートのようなものになった・・というのが「蘭月ビル」。
(二階はどうも【違法建築】らしい・・との本文を読んだような・・)
伸仁くんが、(離れて住む母)房江さんに、
蘭月ビルの住人のことを説明する場面があるのですが、
部屋の場所と、住人のこと、
そして、アパートのどこに階段があって・・とかを
長々と語って説明していく場面を読みながら、
「見取り図、書きたい・・・」と思ったのです。
そして今回、本書を購入し、
帯の部分には載っていませんでしたが、
ぱらぱらとページをめくると、
なんと、「蘭月ビル」の見取り図も載っているじゃありませんか(^^)
本屋さんで見て、吹き出してしまいました(^^)
他に、帯に出ていますように
・(両親の)家系図
・舞台となった土地の地図
・各巻人物相関図
この本を読み、
堀井さんて、おもしろい&すごい方だ~~と感動しました。
主要登場人物の索引だけでも気が遠くなる作業だと思います。
すばらしいです。
そして、改めて、
このような【ガイドブック】まで発刊される
宮本輝さんの「流転の海」シリーズのすごさにも感動です。
<本日のトレーニング>
・ ジョグ 10キロ
お昼くらいまでは雨は大丈夫・・とのことでしたので油断しておりましたら
9時前くらいから小雨。
でもこの時期、カンカン照りになるよりは、小雨くらいのほうが走るにはラクなので
気にせずランニングに。
久しぶりに運河の対岸~高石の野球場の先の公園のあたりまで走れました。
カンカン照りのときは、そのあたりまで行く気になれなかったので・・・。