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読書メモ♪「明治乙女物語」 [本]

初めて読む作家さんでした。

新聞の読書コーナーで紹介されていて
「読みたい本リスト」に入れており、
図書館で見つけましたので借りました。

「明治乙女物語」(滝沢志郎さん)

CIMG0948.JPG

2017年度 松本清張賞受賞作。

「鹿鳴館時代、高等師範学校に学ぶ咲と夏は
 女に学問はいらぬという世相にあらがいながら、
 ”戦う乙女”として躍動する」
という物語。(←帯の紹介文より)

この時代の物語もいいですね。

昨年のNHK大河ドラマ「いだてん」でもそう思いましたが
この時代に道を開いてくださった女性たちがいたから今がある・・・と
しみじみ実感します。


私の父は
「女は高校も行かなくていい」というような、
『何時代の人間やねん??』という人で、
私は教師になりたかったので、父の言うことは聞かずに大学まで行きましたが
家は貧乏だし、
『親に迷惑はかけられない』
『自分である程度何とかするしかない』
と思いながら学生時代を過ごしましたので
この物語に登場する女子生徒たちの気持ちも少しわかる気がしました。

今の時代に生まれ、生きていけることは
やっぱり幸せなことだと改めて思います。

特に印象に残った&強烈に感じた場面を以下にメモ。

●文部大臣の舞踏会で、
 ダンスの心得のある高等師範学校女子部の生徒たちが参加させられ、
 とある男爵が女子生徒の1人にムリヤリ相手をさせようとし、
 その生徒が断ったあとの場面

「〇〇男爵は不機嫌の極みにあった。
 (略)西洋のダンスとやらをせっかく習ってはみたものの、
 小娘どもは自分が近寄るとさっさと逃げていく。
 先刻など、ようやく女高師の生徒に声をかけたと思ったら
 無礼にも誘いを拒絶された。
 古き良き時代を思わせる古風な顔立ちが気に入ったのだが
 やはり女に学問などさせるものではない。
 知恵をつけて従順さを失わせるだけだ。」

「この頃は妻との仲も冷え切っている。
 あの女、近頃は妾との同居に不満そうな顔を露骨に見せるようになった。
 かつては貞淑で従順だったが、
 男女同権などという軽薄な風潮にあてられたらしい。
 娘と同じ年ごろの妾なのだから、
 娘がもう1人できたと思って慈しめばよいではないか。
 まったく情の薄い女である。
 私の寛大さに甘えるのも大概にすべきであろう。」

・・・・・【私の寛大さ】とは何たる言い草・・。
100年ちょっと前は、まだこんな時代だったのですね・・。


●女高師の生徒たちが、「女に学問はいらない」という世間の風潮の中で
「自分たちは学んでいてもいいのだろうか」という悩みを抱えているときの
 当時の文部大臣のことば。

「私が(西洋に行ったときに)最も衝撃を受けたのは
 鉄道でも電信でもない。軍艦でもアームストロング砲でもない。
 それは、西洋における婦人の地位だ。」

「西洋の上流階級の婦人は、夫と並んで歩く。
 日本の上流階級の婦人は、夫の後ろをついて歩く。
 それどころか、外出すら滅多にはせぬ。
 西洋では指定の教育は母親の責務である。
 日本では専ら父親がそれを行う。
 西洋の婦人が我が子の問いに知識をもって答えるとき、
 我が国の婦人は答えることばを持たぬ。」

「我が国の婦人に三従の訓あり。
 家にありては父に従い、嫁しては夫に従い、老いては子に従う。
 それはかつては美徳であったやもしれぬ。
 だが今や、三従の訓は盲従の訓と成り果て、
 妻に妾との同居を強いるがごとき、万邦に恥ずべき悪習の温床である。」

「我が国の婦人は、父に仕え、夫に仕え、子に仕えることのみが務めであろうか?
 否である。断じて否である。
 婦人が仕えるべきは、第一に国家である。
 国家に仕えることが婦人の務め、帝国臣民の務めである。」

「国家に仕えるには、国家に有用な人材とならねばならぬ。
 そのためには何が必要か。
 教育である。正しく教育である。
 教育によって、婦人は国家に有用な人材たるを得るのである。
 日本の婦人が西洋の婦人と同等の知育、徳育、体育を修めたとき、
 はじめて我が国は西洋列強と肩を並べるのである。」

こういう時代に道を開いてくれた人たちがいたから
私たちは今、
女性でも自由に進学でき、仕事もできる時代となったんだなぁと
しみじみ思いました。


この物語、
実在の人物&エピソードを盛り込みつつ
登場人物が生き生きと描かれていて
おもしろく、興味深く読ませていただきました。


次回の観劇予定の宝塚大劇場公演は「はいからさんが通る」です。
私はタイトルは知っていますが漫画は読んでいませんので
どんなお話か内容は知らなくて。
こちらは大正時代のお話のようですので、
今回読んだ作品よりもう少し後の時代になるのでしょうか。

せっかく今回この作品を読みましたので
「はいからさん・・・」の世界も楽しみです。
(コロナの状況が気がかりですが)


<土曜日(=21日)のトレーニング>

・ ウォーキング&ジョグ 12キロ 

   (9キロW+3キロJ)

・ 補強運動


<本日のトレーニング>

・ ウォーキング&ジョグ 12キロ 

   (8キロW+4キロJ)

・ 補強運動

 桜の開花の状況を確認しながらウォーキング&ジョグ。

 運河の対岸は、だいぶ開花が進んでいました。
CIMG1001.JPG


 ユキヤナギもきれいに咲いていて、いい香り。
CIMG1002.JPG


 公園側の桜のトンネルあたりはまだで、
 一輪だけ咲いているのを見つけましたが、まだほとんど咲いていませんでした。

 公園側は、運河沿いの「陽光桜(たぶん)」がほぼ満開(^^)
CIMG1003.JPG
CIMG1006.JPG

 少し濃いめのピンクがかわいい。
 運河の対岸からもそのピンクの樹がよく見えました。

 そして、【細切れジョグ】ではありますが、
 走れるってやっぱりうれし~~(^^)


2020-03-22 17:21  nice!(40) 

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