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読書メモ♪「舞台」 [本]

初めて読む作家さんでした。

「舞台」(西加奈子さん)
003.JPG

昨年、「サラバ!」で直木賞を受賞された作家さんでございます。

そのニュースを見るまでこの作家さんのことは知らなくて、
受賞作は人気がありそうなので読んでみたいですけど、
ワタクシ、「文庫本になって、それが○ックオフに出回ってから読む」派ですので、
いつになるやら・・(^^; という状態。

最近、利用しております図書館で、
「サラバ!」の予約状況を確認してみますと、

・・・・・上下巻とも、約600人待ち状態(^^; (ひゃ~~)

「文庫になって○ックオフに出回って・・・」と、どっちが早いですかね~
という感じ(^^;


おそらく、「サラバ!」の前に書かれた作品が、今回読みました「舞台」だと思うのですが、
これも、雑誌の「本・DVD・CD」などが紹介されているようなページで拝見しまして
(そういう雑誌を見るのは、美容院か病院の待合室だったと思いますが)
「サラバ!」はいつ読めるか分からんし、
この方の作品、一度読んでみたいし~と思って図書館に予約しましたら
コチラはすぐに届いた次第(^^)


感想を一言で申しますと、
「一言で言えない・・」


う~~~ん、
ちょうど二度読みも終了しまして、
2回目というのは、
宝塚歌劇でも、本でも、ドラマでも、
やっぱりすごくよく分かるなぁと実感ですが・・・。


すごく読みやすいのは読みやすいんですよ。

あらすじは、
「29歳無職男子が、亡くなった父親が遺したお金でニューヨークに一人旅にきて
 その滞在中に思ったことや起こったことを綴ったお話」
という感じ。

サラ~っと読めるのは読めるし、分かりやすい内容なんですけど、
それでいて難しいような、
(ワタクシの勝手な印象ですが)主人公の男子(=29歳)がかなりめんどうくさい男なので(^^;
同じよ~~~なことばかりくどくどくどくど書かれていて、イラっとするような、
でも、「この先どうなるんやろ・・」と気になるような・・で、
ワタクシ得意の?「先に最後のほうをチラ見」しそうになったり・・。(やってませんが)
親のスネカジリの29歳プータロー男子が主人公の軽~~~いお話のようで、
でもすごく深いようで・・・。

・・という感じで、何とも「つかみどころのない」という印象?


私も、「人からどう思われるか」を気にしてしまうところはあって、
それでいて「マイペース」な部分も強いので、
自分で自分の首を絞めてるというか、
「肩の力を抜いたらもっとラクに生きていけそうな気もするのに
 なんか、自分で『わざわざしんどく』生きてるなぁ」
というようなところも(以前はかなり)ありましたけど、
この主人公の男子、
こういうのを「自意識過剰」と言うんでしょうか、
『これは生きるのがしんどいやろうなぁ』・・・と、読むのがしんどくなるくらい、
本文にも
「俺は一生この苦しみと付き合わなくてはいけない」
みたいな部分が何回も出てきますが・・。


この主人公男子、
父親のことも母親のことも嫌っていて、
自分が、恋愛や女性に対して偏見というか、素直に向き合えないのは
母親の姿と、母親をそんなふうにしてきた父親のせいだと思ったりもしていて・・。
父と母のことを悪く思うシーンはたくさんあって・・・。

周りに対して「いい格好しぃ」を演じている両親を軽蔑しているくせに
自分自身も、自分を欺いて演技をしていて、そんな自分が嫌で苦しんでいて・・。

でも ↑ そういう姿って、
自分がそうだったら、確かに「苦しい」だろうと思うのですが、
ハタから見ていたら 『そんな、わざわざしんどく考えなくても・・』 と
思えるのが不思議(^^;

この主人公男子に対して厳しい言い方をすれば、
両親のせい・・と言うけれど、
物語を読んでいる限り、
両親からひどい目にあわされたとか仕打ちをうけてきたわけではないし、
むしろすごく恵まれた状態にあるのにそれに気付こうともせず、
29歳にもなって、仕事を転々としたあげく無職で、
でも言うことだけは一人前・・・という、
『何を甘えたこと言うてんねん!』と、見てたらイラっとしてしまう若者ですが、
このニューヨーク滞在中に(一言で言えば)いろいろ経験して、
自分や両親だけじゃなく、
生きる上で、大なり小なり、誰もが何かを演じて生きているのかもしれない・・
ということや、
自分の苦しみは自分にしか分からないもので、
みんなそれぞれ苦しい思いをしているのかもしれない・・
ということに気付いていき(・・だと私は思った)、
自分がいかに甘えた人間やったか・・とかにも気付き、
今回の一人旅も、よく考えれば結局は、
父親の残したお金を使い、
観光初日にヘマをやらかして
(子供の頃と同じように)最後は母親に助けてもらうことになり、
自分は全然成長していないことなどに気付いていく・・という感じ?


そのあたりの「過程」は、
読んでいて、こっちも苦しくなってきましたけど、
すごく「迫力」?を感じました。


最後の最後に、そういった「苦しさ」から「解放される」・・と言いますか、
1つ「乗り越える」ことができたのかなぁ・・という感じ?かと・・。

それに、お父さんのことも、本当は好きなのかも、好きになりたかったのかも・・と
思えたりしました。


今回の一人旅での出来事は、過去とリンクしていたり、
何気なく読んでいたところも、
『あ、ここって、最後のほうのあそこの伏線やったんかも』など、
二度読みして改めて気づくところもあり、
(1回で気づくだけの読解力がない・・(--; )
2回目だから内容は分かっているにも関わらず、
おもしろく読めました(^^)

おそらく、
1回目は、『この人、この先いったいどうなるの??』と、
ヘンに気になってしまう内容でしたので(^^;
2回目は、私自身も、「続きが分からない苦しみ?」から解放されて(^^;
安心して?細部にまでこだわって読めたのかも・・です(^^) (私の場合は・・。)


そんなわけで、
西加奈子さんという、新たな作家さんとの出会いでしたが、
この方の作品、「好き」か「嫌い」かと訊かれると、ちょっとまだ何とも言えないですね・・。
(二度読みして、だいぶ好きになりましたが(^^) )

他の作品も読んでみようかなと物色中でございます(^^)
(「サラバ!」は当分ムリっぽいので、別の作品から(^^) )


<本日のトレーニング>

ジムにて

・ 筋トレ(脚、腕、体幹 12種類)

・ ジョグ10キロ

金曜日は、ジムが何となく空いてる気がします。
「ハナキン(死語かも・・)」だから??


2016-01-08 23:17  nice!(48)  コメント(7)  トラックバック(0) 

nice! 48

コメント 7

ハリネズミ

「私も、『人からどう思われるか』を気にしてしまうところはあって、
それでいて『マイペース』な部分も強いので・・・・」と続く
keroyonさんの自己分析、私も同じでシンパシーをw。
自意識過剰・・・・これは人生を生きづらくさせますよね^^;。
わかっていても肩の力を抜くのはむずかしい・・・・。
でも見方を替えれば「いいかっこしいだからがんばれる」という
一面もありますので、そういう自分を飼い馴らしながら(?)
生きていくしかないだろうって最近はやや開き直り気味かな^^。

昨日の記事のポーチ、ゲットできました~(*^^)v。
捕獲の顛末につきましては明日か明後日くらいの記事に
したいと思ってます^^。
毎日更新なので、なんでも記事にしちゃいますw。
by ハリネズミ (2016-01-09 07:42) 

liang

いつか読もうと思ってる作家なので、一言感想だけチェック!と
スクロールしたら「一言で言えない……」って。
あ、そ、そうなのね…(^_^;  読んだら、また読みにきまーす(^o^)/
by liang (2016-01-09 09:21) 

裏・市長

600人待ち!って、いつになったら
回ってくるのん?。
レンタルDVDとかなら20枚、30枚入荷してるけど、
公共の図書館って、1冊ぐらいしかないのでは?。
人気作は2~3冊蔵書してるんやろか?。

しかし600人後となると、
せんべいの欠片が挟まったり、アンダーラインが
ひかれたり、グラビアの水着ページが破られたり、
最初の白いページに「殺してオサラバ!した犯人は、
裏・市長」・・・なんてネタバレが
書きこまれたりしてるんだろう。

というか、皆一応予約するけど、
実際に待って借りる人は少ないでしょう。
待ちきれない、今さらいいわなどでキャンセルが続いて、
文庫化するよりは早く読めるかも知れない。

ボクなんか読みたい本がマニアックすぎて、
図書館に置いてないから買わざるを得ない。
この間、買ったのは「西崎義展の狂気」(笑)。

宇宙戦艦ヤマトを作った人の転落人生(笑)。
成りあがりから拳銃、武器密輸、覚醒剤逮捕。
下半身不随なのに、車椅子でクルーザーに乗り
海へ出て、謎の転落死を遂げるまで・・・。

今、読みたいのは「光線を描き続けてきた男」。
ウルトラマンの光線合成をフィルムに描いた人の人生。
・・・絶対、図書館には置かない、入らない、
入れてもらえない・・・(笑)。



by 裏・市長 (2016-01-09 10:31) 

ポッポ

今の図書館は「何人待ち」と言うのがわかるんですね。
1人1週間の回転としたら何年待ちですか。これは、文庫→ブックオフの方がはやいですね。
小説は感情移入を楽しむので、性に合わない主人公のものはけっこうすぐに投げ出してしまいます...。
by ポッポ (2016-01-09 15:00) 

リュカ

昨日、本屋さんに行って
リサ・ラーソンの付録ゲットしちゃいました(笑)
by リュカ (2016-01-09 15:54) 

majyo

>ワタクシ、「文庫本になって、それが○ックオフに出回ってから読む」派ですので、
>いつになるやら・・(^

あはは(*^。^*) 笑った。同じ!
この間の三浦しをんさん、すごく良かったですよ
それにしても、600人とはすごいですね。
私も待ち人の人数で諦めます。
西加奈子さん、今度ブックオフで探してみます。
しかし、本が読み終わっていないのが何冊も・・・

by majyo (2016-01-09 18:14) 

keroyon

みなさま、ご訪問・コメント・niceをありがとうございました!

★ハリネズミさまへ
 自意識過剰、この主人公はかなり強くて、そして「こうあるべき」
 みたいなこだわりと言いますか考えも細かいので、「この人は
 生きるのがしんどいやろなぁ・・」と。
 人のことはそんな感じに見れますが、自分もテンパっているときは
 そんな感じになっているかもしれません・・。
 本当、肩の力を抜くのはむずかしいですよね・・・・。
 あ、確かに、「いいかっこしいだからがんばれる」という一面、
 ありますね~。ブログもその手段の1つかなと。
 「ここでヘタれたらブログに書かれへん」とか思ったりもします(^^;

 リサ・ラーソンさんのポーチ、ゲットできましたか(^^)
 よかったです(^^)
 先月号をたまたま店頭で見た時期から考えますと、発売日当日で
 売り切れは・・と思いましたが、ふだん買わない私のような者も
 買っていますから(^^; 分かりませんもんね・・。
 何よりでした(^^) 記事、楽しみにしております(^^)

★liangさまへ
 今回の感想は「一言で」言えませんでした~(^^;
 私もまた他の作品を読んでみたいと思います(^^)

★裏・市長さまへ
 そうなんですよ(^^; 600人待ち・・(^^;
 人気の作品は数を増やしてくれたりする可能性もあるらしいの
 ですが・・・。
 確かに図書館の本、「これって何のシミ??」と思うような汚れが
 あったりもしますね・・。
 以前職場で一緒だった人で、「誰が触ったか分からないから図書館で
 本を借りられへん」と言ってた方がおられました。
 まぁ確かに・・ですが、それを言い出せば、○ックオフもですし、
 第一、お金に触れないんじゃ(^^;??と思うのですが・・。
 私はそこまで気にしませんので、好みかどうか分からない本に
 挑戦するときには図書館はありがたいです(^^)

 >この間、買ったのは「西崎義展の狂気」(笑)。
 「宇宙戦艦ヤマト」のシリーズ、子どもの頃大好きでしたので
 この方のお名前は覚えていました・・。
 でもそのようなことになられていたとは・・・。
 なんとも言葉が・・・。

★ポッポさまへ
 図書館、すぐ近くにないので利用していなかったんですが
 2週間ごとに地元にくる「移動図書館」がありまして、母がそれを
 利用しておりまして。それじたいは小さいスペースなんですが
 「リクエストした本を持ってきてくれる」と聞いて、私も利用することに
 しました。貸し出しカードは堺市内のどこの図書館でも利用可能
 ですし(^^)
 ネットを使わない母は、希望を書くカードがあってそれを使って
 リクエストしていますが、ネットを使う場合は仮パスワードを発行して
 くれて・・という流れ。
 それで読みたい本を検索しますと、「貸出中」とか「予約件数」が
 表示されるんです。便利なものやな~と感心しております。
 本は確かに「感情移入を楽しみたい」です。
 私の場合、貧乏性?なのか、いったん読み始めますと、
 性に合わなかったとしても「そのうち変わるかも・・」とか思って
 結局読んでしまいます(^^;

★リュカさまへ
 リサ・ラーソンさんのポーチ、ゲットできましたか(^^)!!
 先月号を本屋さんで見かけた日にちを考えましたら、
 発売日すぐに売り切れ・・とはならないような気がしましたけど
 私のように、ふだん買わない人間が買うこともありますもんね・・。
 よかったです(^^)!!

★majyoさまへ
 majyoさまも「文庫本になって、それが○ックオフに出回ってから
 読む」派・・・でいらっしゃいますか(^^)
 お風呂で読まれるから○ックオフで購入されるとのことでしたね(^^)

 三浦しをんさん、私も読みたい作品があります(^^)
 majyoさまが読まれた作品もよろしければ教えて下さいm(_ _)m
 図書館の予約、約600人待ちにはびっくりでした~。
 ブックオフに出回るほうが早そうです・・。
 まだ読んでいない本が何冊かあるのですが、図書館で借りますと
 返却日に追われますね・・。でも、家に「まだ読んでいない本」も
 ないと不安になりますので(^^; いつも少しはキープしています(^^)
by keroyon (2016-01-09 19:28) 

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