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読書メモ♪「ホテルローヤル」 [本]

初めて読む作家さんでした。

久しぶりに?「直木賞受賞作から(作家さんの)新規開拓シリーズ」。

「ホテルローヤル」(桜木紫乃さん)
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まだ最近の作品ですので(=2013年)
直木賞を受賞されたときのインタビューをたまたまニュースで見た記憶がありますが
「実家がラブホテルを経営していて、家業を手伝っていた。」
「そのときの経験を構想にして書かれた作品」
みたいなことを言われていて、印象に残っておりました。

たまたま○ックオフで、
「ここの棚、すべて200円」となっていて、
わりと話題になっている本が並んでいたコーナーで見つけて購入しておりました。

図書館に予約している本をこの週末に受け取りに行く予定なので、
そうしますと、『早く読まないと~』ですから
今は、「まだ読めてなかった雑誌」を読んだりしてつないでおりましたが(^^;
手持ち無沙汰になり、
これくらいならすぐに読めるかな~ということで、とっかかり。


感想を一言で申しますと
「(ニガテなジャンルと思っていたけど)意外とよかった」


この作品は、7つの短編からなっていますが、
「ホテルローヤル」というラブホテルを通して繋がっている・・という感じ。
「連作短編」と言うんでしょうかね。


ワタクシ、
「恋愛モノ」と言いますか、「官能小説」と言うんでしょうか、
性的描写が多かったり、過激?だったり・・といった感じのモノとか、
不倫とか三角関係とか男女のドロドロ~~っとした感じのモノはニガテなので、
「ラブホテル」が舞台のお話ってなんとなくそんな感じかしら・・と思いながら読み始め、
最初のほうは『う~~ん、やっぱりニガテかも・・』と思いましたけど
だんだん、「人生」というか、「人情」?みたいなものが感じられてきて、
しんみりと切なくなったり、ちょっとだけ温かい気持ちになったり・・といった作品でした。

「温かい気持ち」と言いましても、
ここに出てくる登場人物の方たちはみなさん、あまり「いい状況」じゃない感じの、
はたから見たら「苦労されてる」という感じの方が多くて
「しんどい状況の中で、ちょっとホッコリ・・」という程度で、
切ない気持ちのほうが大きいかなぁという感じ。

7つの作品の配置は、
時間の流れの順番・・ではなく、バラバラか・・と思いましたが
たぶん、だんだん過去にさかのぼってるような・・。
それがまた絶妙と言いますか・・。
「後から、『タネ明かし』的に、いろいろ分かってくる」のがおもしろい!

文中に、この「ホテルローヤル」は30年間営業されてきたとありましたが
その営業を始める直前のお話から、
廃業し、(本文に「何年経ったか分からない」とありましたが)廃墟となってからのお話まで、
このホテルと何等かの形で関わりがあった人たちの「壮大な人生物語」という感じで、
それぞれがビミョウに関係があったり・・。

ある人の人生が、他の人の人生に(よくも悪くも)影響を及ぼしてるんやなぁと
あらためて感じました。
(たとえば、「ホテルが廃業する」→「職を失う人がいる」といった感じ)


その「壮大さ」に「静かに感動」しつつ読み終えました・・という感じの作品でした。


やはり、タイトルなどの「イメージ」で判断したらアカンなぁ、
読んでみないと分からないなぁ
と、改めて考えさせられた作品でした(^^)



<本日のトレーニング>

・ ジョグ 10キロ

・ なわとび 二重跳び100回♪ 

・ エクササイズ(腹筋、腕)

今日はかなり冷えました~。
でも、12月ですから本来こんなものかと・・。
風もちょっとありました~。


2015-12-17 23:34  nice!(55)  コメント(5)  トラックバック(0) 

nice! 55

コメント 5

よーちゃん

おお、また新規開拓の作家さんですね!
もうかなり昔の話になりますが、友人の奥さんの実家が
谷九のラブホテルで、ワンフロアー貸切にして
仲間数十人でパーティーをやった経験がありますー(≧∇≦)
by よーちゃん (2015-12-18 08:03) 

ハリネズミ

なんだかおもしろそう♪。
時間を遡る感じでの短編の並びもいいですね。
開業前から廃業後の廃墟までの30年間っていうのも壮大!
一昨日の暖かさが嘘のように昨日は冷えましたね~。
昨日も(そして今日も!)、ダンナさんは忘年会。
またホームのベンチで眠ってしまわないかと心配です^^;。
by ハリネズミ (2015-12-18 08:47) 

ポッポ

タイトルからしてノスタルジックというか、ラブホなのにローヤルと言うのがエレジー(シニカル?)な。って、ルー大柴みたい。
読み切りなのに壮大なのは大好きです。読んでみます~。
by ポッポ (2015-12-18 17:31) 

liang

私は好きですよー桜木紫乃。作品もご本人も。
ホテルローヤルが賞を獲ったときわりとテレビに出ていて
明るくて楽しい人だったので意外でしたがファンになりました。
これは道東のうら寂しい感じが出てますよね。
by liang (2015-12-18 21:45) 

keroyon

みなさま、ご訪問・コメント・niceをありがとうございました!

★よーちゃんさまへ
 久々の、「直木賞受賞作から作家さんの新規開拓」シリーズ
 でした(^^)
 ラブホテルをワンフロア貸切でパーティ(@@)??
 よーちゃんさまは本当、いろんな経験されていますね~~(^^)
 「びっくりぽんや」

★ハリネズミさまへ
 じわじわとおもしろさを感じた作品でした~。
 時間を遡っていくという順番も奥が深いです。
 「旅のラゴス」同様、それほど分厚い本じゃないんですけど
 意外と?壮大な物語で・・。作家さんの文章力なんでしょうね(^^)
 ダンナさまは忘年会続きなんですね~。
 やっと寒くなってきましたが、駅のベンチで眠ってしまわれないか
 心配ですね・・。

★ポッポさまへ
 「ローヤル」という名前が付いた理由も明らかになります。
 泣けました(;;) 
 でも、(時間を遡るように進んでいきますので)後日談を先に
 読んでいますから、それもまた皮肉と言いますか、切ないです。
 それほど分厚くなく、すぐに読めましたが、壮大な物語でした~。
 ポッポさまはどんな感想をお持ちになるか、楽しみです(^^)

★liangさまへ
 桜木紫乃さん、お好きなんですね(^^)
 「ホテルローヤル」、よかったですので、他のも、機会があれば
 読んでみたいです。
 道東のうら寂しい感じが、物語の切なさをより強調していたような・・。
 私、北海道は何度か行っていて、道東は知床や網走方面は
 行ったことがあるのですが、釧路は結局行けずじまい・・。
 行ったことがあれば、さらに楽しめたかも・・と。残念です~。
by keroyon (2015-12-18 22:50) 

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