読書メモ♪「本格小説」 [本]
初めて読む作家さんでした。
「本格小説」(上・下)(水村美苗さん)
初めて読む作家さんですが、
「直木賞受賞作から(作家さんの)新規開拓シリーズ」・・・ではなく、
2月頃・・でしたか、
美容院で読んでいた雑誌に紹介されており、
『読んでみたいな~』と思ったのがきっかけ。
そう、雑誌に、
おすすめの本、CD、DVDなんかが紹介されているページがありますよね。
実際に本を手にとってみますと、
最近出版されたとか、文庫化されたものではなさそうでしたので、
どうしてその雑誌で、あらためて?紹介されていたのか・・はよく分かりませんが・・。
「紹介」の文には、
「エミリ・ブロンテの『嵐が丘』をモデルに・・」とあり、
「すごく読みごたえのある恋愛小説」だというふうにありまして。
ワタクシ、
「嵐が丘」はだいぶ前に読んだっきりですが、
「嵐が丘」と言えば「復讐」というイメージで、暗くてドロドロした作品だった印象で、
個人的には、
お姉さんのシャーロット・ブロンテの「ジェイン・エア」のほうが好きなのです・・。
「ジェイン・エア」は、自宅に置いておりますが
( ↑ かつては我が家でいちばんの厚みを誇っていた文庫本)
「嵐が丘」は実家に置いてきてますね・・。
でもまぁ、『おもしろそう♪』と思って、読んでみたいと思ったものの
美容院で雑誌を見たあとすぐにメモらなかったため、
タイトルもうろ覚えになってきまして、
『「ナンチャラ小説」っていうタイトルやったっけ?? 』
に加え、
ワタクシ、雑誌で見たときに、
「水村」を「木村」と見間違って覚えており、思い切り勘違い・・。
○ックオフで探してみたものの、「木村・・」の作家名のところを見ていたので
それらしき本は見当たらず・・だったのですが、
あるとき、他の本を探しているときに偶然見つけました。
思ったより分厚い本が上下に分かれて・・でしたけど、
『これもご縁♪』と思い、お買い上げ♪
感想を一言で申しますと、
『切ない・・・』
『ありがちで平凡な内容のように思うけど、意外と強烈で、なんとも言えない~~』
ところどころ、
理解できないというか、共感できない部分もありましたけど
個人的には好きな内容で、読みごたえはありました~。
結局今もよく分からない「疑問」は、
『この小説って、実話なん???』
作者は、「本当にあった、小説のような話」と書かれているのですが
そのあたりがどうもよく分からない。
本って、たいてい、巻末に、
著者の「あとがき」とか、「文庫版解説」などがあることが多く
個人的にはそれを読むのも好きなのですが、
この本には、「ほぼ無かった」感じ。
短~~い「あとがき」がありましたけど、
それさえも物語の続きっぽくて、どうもよく分からない・・。
ところどころに、「挿絵」ならぬ、「写真」のページがありまして。
これって、物語に出てくる軽井沢や追分の洋館や山荘なのかしら?
とか、
物語に関係するのか??と思われる景色の写真が入っているので
やっぱり実話なん???
それにこの本、
最初に登場する中心人物は、作者ご本人と作者のご家族・・という、
ワタクシ、初めてのパターン・・・。
それに絡めて、主人公の「東太郎」という男性が描かれている感じ。
ご家族の登場している場面の内容に関しては、
全部が全部作り話とも思えないような気もするし・・。
この物語を話してくれた女性(=フミ子さん、彼女も登場人物になっている)に配慮して
「名前や設定を変え、人が読んでも登場人物の正体が簡単には分からないように
書くつもり」とありますが、
「東太郎は実名である」とありますし、
自分の家族の話はともかくとして、
実話だとしたら、アカの他人のことをここまで書いてもいいものか??
と思ってしまいます・・。
自分の家族が登場する部分、
「本格小説が始まる前の長い長い話」という「章」ですけど
本当に長い(^^;
上巻の3分の1以上ある感じ。
「前置きにしたら長い、くどい~」と、思ってしまいそうになったんですけど
物語が始まっていくと、
「作者、作者の家族が登場するアメリカの部分(=前置き?の部分)」
と、
「物語の本筋の、東京、軽井沢を舞台にした部分」
が、かぶるというか、伏線というか、そういう部分が感じられて、
それがこの本をおもしろくしているような気も。
そのへんもすべて「狙って」書いた、本当は実話ではない「作り話」だとしたら
このお話、すごいな~~と思いますし・・。
そのへんは、今のところ、私には謎のまま・・。
「嵐が丘」をモデルに・・とのことでしたが、
「復讐」はまったく出てこない感じで、
ワタクシの印象としては、「嵐が丘」もですけど、
「グレート・ギャツビー」っぽい気がしました。
一応?「恋愛小説」になるんだと思いますが、
ワタクシ、最近の日本人作家さんの書かれる「いかにも」・・という恋愛小説は
ちょっとニガテですけど、
これは、「嵐が丘」や「グレート・ギャツビー」などの海外作品を思い出すような雰囲気があり、
戦後の時代に、軽井沢に山荘をお持ちの一族?の物語・・ということもあってか
言葉がとってもきれいで、
だからなのか、結局は三角関係(最後のほうのどんでん返しというか、
種明かし的な部分から考えると四角関係か?)
という、ドロドロしてなくもない内容ですけど、
そこまでのドロドロ感は感じさせない気が。
個人的には、
・(中心人物の1人の)よう子ちゃんは、容姿も性格も
そこまで魅力的に描かれているように思えないのに、
2人の男性からなんでそこまで思われる(=三角関係)のか・・が不思議。
男の人ってやっぱり、「ほっておけない」感じの女性が好きなんですかね。
・よう子ちゃんの死の直前の「振る舞い」が、
結婚もしててすでに大きな子どももいて・・という立場のいいトシした女性にしては
幼なすぎると思う。
といったあたりが、共感できなかったり、
そのあたりの物語の展開が「え?そんなことで?」みたいに
思ってしまった部分はありましたが、
そのへんは、それぞれの読者によっても感想はいろいろでしょうし、
好みもあるかと・・。
・・・ですが、引き込まれるお話で、読みごたえがありました。
物語は長編で、
かなりの「時間をまたいだ」内容になっていますが、
前半~半ばあたりは「三丁目の夕日」の時代のお話かなぁと。
終戦から昭和30年代くらいにかけて・・は、
「もはや戦後ではない」と言われていく時代になっていきますけど
それもやっぱり「格差」はあって・・という感じで、
そのあたりも読んでいて、いろいろ考えるところはありました。
物語の大半が、フミ子さんの「語り」で進んでいきますが、
フミ子さんの人生を通して、
私は、「(女性の)幸せってどういうことなんやろ」って考えたりもしましたし、
元気がでてくるような場面もありましたけど、
読み終わった直後に出てきた感想はやっぱり「切ない」・・・かな。
ちなみに「本格小説」というのは、
「19世紀西洋小説こそ小説の規範である」という概念のことだそうで、
ワタクシ、恥ずかしながらこれまで知りませんでした。
この作品がかなり読みごたえがありましたので、
水村さんの作品、他にも読んでみたいような、これでやめとくほうがいいような・・?
<本日のトレーニング>
オフ
整骨院にてメンテナンス
エクササイズ(腹筋、腕、脚)のみ。
最近本読んでないです。電子書籍を何冊かダウンロードしてるんですけどね。
ところで、秋のマラソン付きケロシュラングルメツアーにはもっちろん宝塚観劇をおりこむ予定です!8月末(かなり先ですが)一般発売なので頑張ってとりますよ~。
今からアフターマラソンが楽しみなんです♪
by ポッポ (2015-06-16 23:35)
タイトルもうろ覚え、しかも作家さんの名前を勘違い
・・・・めぐり合えたのはホント、ご縁ですね♪。
あ、でも「水村」と「木村」の勘違いってありそう^^;。
前置きとしては長すぎるように思われた部分も
後の伏線として効いてくるなんて、
構成にも凝った小説のようですね。
by ハリネズミ (2015-06-17 06:26)
この作家の「日本語」シリーズを読んで
他のは手に取ることがなかったのですがこれは読んでみようかな~(^o^)
by liang (2015-06-17 08:05)
はじめて読む著者の本。
ドカッ!山歩き、ドカッ!帰宅!、
新規ランチ開拓と言い、最近冒険してるよね。
上下巻、実にズッシリと腰を据えて読めそうな、
本格的な小説だ・・・。
だって題名からして「本格小説」だもの。ま・ち・が・い・な・い!。
しかし、著者の名前もタイトルもうろ覚えで、
よくぞめぐり会えたわ!スゴイ。
もう読むべくして出会った運命の一冊、いや二冊。
本屋さんが言うてましたが一番困るのが、
注文に来るお客さんでタイトルも著者もわからない場合だそうな。
「先週の毎日新聞の一番下に載ってた!」とか(笑)。
この間も青山テルマさんのおばあさんが、
「ウチの孫が載ってる、マガジンの今月号!」という、
実に「当ててみろや!」的なキーワードでご来店されていた。
「マガジン」て、アバウトすぎるやろ?。
(結局、本人のブログを見て音楽雑誌だという事が判明。
「マガジン」という単語はどこにもなかった)。
さて、「本格小説」。
よう子ちゃんの死の直前の「振る舞い」。
常識人には計り知れないような事をする人が
世の中にはいっぱいおる。
亭主、子持ちであるのにパチンコ屋で知り合った
年下男の原付バイクの後ろに乗って、
毎日送り迎え(パチンコ屋と自宅)させて、
あげく亭主と子供は追い出して、間男と暮らしはじめたり。
(誰の事じゃい?)。
短~~い「あとがき」。
それすらもこの「本格小説」の一部なんでしょうな。
読後感はやっぱり明日の活力になるような、
パワーをもらえるようなのがエエなぁ。
せつなかったり、やりきれなかったりするのはイカン。
(読んでないけど)。
読み終えて、誰も救われなかった、みんな死んでしまった。
バッドエンド最悪!。少しでも救いが欲しい。
ドラマでもあるよねー。
なんて投げやりな最終回!。
最近だと「相棒」のカイトのラスト。
「書店ガール」のいきなり結婚ハッピーエンド。
今まで見てきたボクらの時間をかやせ!かやせ!と思うね。
でも、視聴者おいてけぼり最強は、
昼ドラの「嵐がくれたもの」でしょう。
最終回になっても物語が収拾ついてないんですけど…、
と思ってたら、ラスト5分。
山小屋でヒロインと敵役がニトログリセリンで
いきなりの大爆死!ハイ、おしまい。以上。
by 裏・市長 (2015-06-17 22:59)
みなさま、ご訪問・コメント・niceをありがとうございました!
★ポッポさまへ
最近、お忙しそうですね。
先日の大会のこともありましたし、ご無理なさいませんように・・。
大阪マラソン付きケロシュラングルメツアー、やはり宝塚観劇も
入っておりましたか(^^) それは楽しみ♪
明日海さんのお披露目だった「エリザベート」、
チケット事情が厳しくて始発で当日券にならんだ公演から1年ほどに
なるんですね~。次回はそんなことにはならん・・とは思ってますが・・。
関西をめいっぱい楽しんでいって下さいね!
なんなら「ステージスタジオ」も予約されて、「変身」してって下さい!
★ハリネズミさまへ
そうなんです、タイトルもうろ覚えになってしまい、作家さんの名前も
間違って覚えていて・・だったんですが、縁あって巡り会えました(^^)
「水村」と「木村」、活字でしたし、見間違えていました(^^;
最初の「長い前置き」部分は、作者と作者のお姉さんとのつながりも、
本編に出てくる何組かの姉妹とかぶるような感じもあり、凝ってるな・・
と(^^)
よく考えましたらドロドロした設定ではありますが、落ち着いた
雰囲気の読みごたえのある物語でした(^^)
★liangさまへ
作家さんのプロフィールを拝見しまして「日本語が滅びるとき」などの
作品名を知りました。
今回の物語の「(長い)前置き」部分にありました、「お父様の仕事の
関係で」海外暮らしが長かったのは実話のようですが、そのように
海外が長かったからこそ「日本語」を客観的に見れるのかな~
とか思ったりして読んでみようかなとか思ったりしていました。
liangさまは読まれたんですね(^^)
★裏・市長さまへ
本当、最近「冒険」が続きました(^^;
今日も、初めて通る道を通って帰りました(^^;
なんでしょう、RUNで発散?できない分、何かで発散したいの
でしょうか(^^;
「本格小説」、雑誌の紹介ページで見まして、すごいタイトルやな~
とびっくりしました。
「本格小説」の意味を分かっていなかったのですが(^^;
それにしても、よく巡り合えたと思います・・。
ご縁を感じました(^^)
「タイトルも著者もわからない場合」(^^;
それは店員さんは困りますね(^^;
私、以前、あるクラシックの曲のCDが欲しかったのですが
題名も作曲家も分からず・・で、店員さんに「ハミング」で歌ったら
店員さんが分かってくれて、無事購入できたことがありました(^^;
恥ずかしげもなくよく歌ったものやと(^^;
「若気の至り」でした・・。
「亭主、子持ちであるのにパチンコ屋で・・」の女性の話は
実話ですか(^^;???
読後感は、私も同じく、明日の活力、元気になるようなモノが
いいです~。池井戸さんの「勧善懲悪」タイプのビジネス小説が
いいな~と思ったのはそういう感じだからでしょうか。
ドラマや映画、ミュージカルもそうですね~。
宝塚の場合、芝居+ショーの二本立てですと、芝居がドロドロ
だろうが、めちゃくちゃ暗くて重かろうが、第二部のショーで
救われますから、大丈夫なんですけど(^^)
by keroyon (2015-06-17 23:38)