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読書メモ♪「ほかならぬ人へ」 [本]

先週読み終わっていた本。

今回も、
「直木賞受賞作から新規開拓」シリーズですが、
今回の作家さんの本は3冊目でした(^^)

「ほかならぬ人へ」  白石一文さん
005.JPG


この本には、
「ほかならぬ人へ」と、
「かけがえのない人へ」の
2作が収められています。

で、
「ほかならぬ人へ」は、第142回直木賞を受賞されたとのこと。

これの前に読みました「連作短編小説」の「廃墟に乞う」もそうですが、
今回の2作収められた作品が「直木賞受賞」の場合、
その中のタイトルの作品だけが賞の対象になったのか、
それが収められたその本すべてが対象になったのか、
ワタクシ、そのへんはよく分かってないですが・・。


「ほかならぬ人へ」「かけがえのない人へ」は、
どちらも「恋愛小説」です。

感想を一言で申しますと、
『まぁ、ふつう』・・・・・かな。


ワタクシ、
2年ほど前に、この作家さんの作品を2冊読んでおります。
「私という運命について」
「一瞬の光」

ご参考までに、そのときの読書メモはコチラ
http://genkikeroyon.blog.so-net.ne.jp/2012-06-24#more


そのときも少し思いましたが、
この作家さん、男性だからか、
恋愛小説での女性の描き方?にちょっと違和感感じるような・・と言いますか・・。

女性作家さんの作品のほうが、
そのあたり、気持ちがしっくりくる気がするんです。

でもそれはワタクシの好みの問題ですね。


今回収められていた2作のうちでは
ワタクシは「ほかならぬ人へ」のほうが好きです。

この方の小説に出てくる主人公って、
わりと、「お金持ち」だったり、「エリート」だったりするんですけど
それでもやっぱり「悩み」はあるんやな・・という感じで。

いい家柄のお坊ちゃんなんですけど、
子どもの頃から劣等感?を持って育ったようで、
それゆえか?
「フツウの感覚」を持っている男性で、そういうところは読んでいて好感が持てました。


この作家さんの、これまでに読んだ作品3つの中で、
ワタクシは、
「私という運命について」がいちばん好きですね~。

これって、最近、WOWOWでしたっけ、
ドラマになったんですよね。
(WOWOWはウチは見れない・・)

細かいところは忘れつつありますので
この機会に、また読み返してみようかな。


そう、今回の本は、
本編の2作の作品よりも、
とある編集者が書かれた「解説」がとってもよかったです(^^)

白石さんのお人柄がよく分かる内容で・・。


以前読みました本の「解説」を読んでいて知りましたが、
白石さん、
「元週刊誌記者」だったようで、
そのときの本の解説を書かれた方が
「文章も難解で、政治や社会問題などの世相を色濃く反映させる」
と書いておられました。

直木賞候補となられたときも、
選考委員から、
「理屈っぽい」「論文のようだ」
との指摘もあったのだとか。

でも、その解説を書かれた方は、
それを決して批判していなくて、
「多種多様な書物があふれるこの世界において、
 エンターテインメント性や読みやすさ、賞の受賞だけが作品評価の指標とされるのは
 やはりおかしい。
 ページを行きつ戻りつ、考え込み、何度も手にとってしまうような現代作品があってもいい」
と。

ですので、
ちょっと「お堅い」感じの文章を書かれる作家さん・・というイメージだったのですが、
今回の「ほかならぬ人へ」は、そんな感じではなく、
とっても読みやすかったです。

そして、今回の本の「解説」で、
解説を書かれた方が、心身ともに体調を崩したり、失恋したり等で
悩んでおられたときに、
白石さんからいただいたメールの文章も紹介されていたりして、
白石さんのお人柄が分かる内容で・・。

印象に残ったのが以下の箇所。

(長いこと仕事を休んで久しぶりに復帰したこの解説者に対して)
「よくやりましたね。・・・(略)・・・そうやってひとつひとつ、
 出きることが増えていけばいいんです。ただ、人生にはイヤなことがたくさんあります。
 そういうことからは全力で逃げることです。
 僕はそれも生きるための勇気だと思います。」

(結婚を考えていた人とダメになった解説者に対して)
「どうしたかなぁとずっと気になっておりました。
 しばらくはさみしいでしょうが、別れは出会いの始まりです。
 
 僕は、自分と関係を取り結ぶほとんどの人たちに対しては、
 やはり寛容で、あたたかであればいいと思っています。
 そのほうが人生はずっと豊かになるのですから。

 ただし、自分と本当に深々とした縁を結ぶ人を選ぶときは
 かなり厳しい目で臨むべきだと思う。
 妥協は禁物だし、もし、その人のいやなところをも含めて受け入れようと思ったときは、
 その欠点を自分は一生許し続ける、という誓いを立てるくらいの気持ちで
 思い切り許すべきだと思っています。

 小説でも書いたことがありますが、一人きりの孤独なんて大したことない。
 死ぬほどの孤独にはならない。
 だから引きこもりの人もホームレスの人も案外自殺しない。
 本当の孤独は、誰かと一緒にいるときに感じるんですよね。

 恋人どうしや夫婦がうまくいかなくなると、そういう死ぬほどの孤独がやってくる。
 だから、ちゃんと選ばないと実はエライ目にあう・・・・(略)・・・

 これからも何か困ったことがあったらいつでも電話してくるように。」


だ~~~いぶ前に、
とある女優さんが、離婚の記者会見で言っておられたことがすごく印象に残っているんですけど

「一人よりも、二人のときのほうがさみしかった」

そんなものかもしれないですね・・。

ぜんぜん次元が違いますけど、
若かりし頃、当時勤めていた職場は社員食堂で、
一緒にお昼を食べていた人たちが結婚や出産でだんだんやめていき、
『(お昼を一緒に食べる人が)誰もいなくなったらどうしよう』と、
当時は深刻に悩んだものです・・。

一人旅なんかで、一人でごはんを食べに行くことはできるようになっても、
知ってる人も多い社員食堂で一人でごはんを食べるっていうのは
なんかとてつもなくさみしいことに思えまして(^^;
あの頃の自分にとっては、切実な悩みでした。
(若かったな~(^^; )


今回のこの本(本編&解説)を読みながら、
なんだかぜんぜん関係のない、なつかしいことを思い出しました(^^)



<本日のトレーニング>

オフ

整骨院にてメンテナンス

久しぶりに、
「骨盤矯正」という名前ではありますが、全身整えるメニューをやっていただきました。

スッキリした~(^^)


2014-04-14 23:00  nice!(41)  コメント(8)  トラックバック(1) 

nice! 41

コメント 8

よーちゃん

『まぁ、ふつう』・・・・・かな。
って、直木賞作家もバッサリなのが気持ちいいですー(≧∇≦)
by よーちゃん (2014-04-15 07:50) 

ハリネズミ

男性作家さんによる女性の描写、
????って思うことってよくあります。
時には「そんな女性、いぃひんで~!」とツッコみたくなったり^^;。
この作家さん、文章が堅いとのことですが、
タイトルもまた、少々格調高い言い回しですね。
社員食堂でのkeroyonさんの感じてた寂しさに対する不安、
よくわかります。
見ず知らずの人たちの中でひとりでいるのは案外平気でも、
某かの関係性のある集団の中でひとりでいるのは、
寂しいというのもありますけど、どこか居心地が悪いですよね。
私もお勤めしてた頃には同じような経験を・・・・。
社員食堂はなく、会議室でコンビニなどで買って来たものを
食べるっていうのが女子社員の定番スタイルでしたが、
オール外食にしちゃいました。
もともとkeroyonさんのようにお弁当持参ではなかったので、
コストの差額は数百円、それは精神衛生上必要と割り切って。
後にはよく飲みにもでかける男の子2人といっしょに毎日外食♪。
ある意味、ハーレムだったかも~?^^
by ハリネズミ (2014-04-15 08:01) 

はるゆうなお

ワタシも思い出しました
社食で1人って 寂しい人?って思われるのが嫌で
いつも誰かを探していたような・・・
1人の方が気楽だったりするんですがねっ^^

by はるゆうなお (2014-04-15 08:11) 

fanfan

名古屋以降まとめて一気読みさせてもらいました。
・100キロマラソンどうされるのか?多分今年は止められるのでは?
なんと富士五湖ですか!大いに楽しんで行ってらっしゃ~い。
・「黒い瞳」は2011年5月に雪組の全国ツアー公演の際、梅芸メインホールで観劇しました。音月桂、未涼亜希、舞羽美海出演。特に未涼さんのブガチョフには感動!私にとっても、この10年間で忘れられない作品の一つです。
・100周年記念切手ゲットできて良かったですね。
私の場合、郵便局が訪問販売に来てくれました。同じく2セットを買いました。
・”花”の名古屋全国大会結果。
準決勝で優秀8人に残りましたが、決勝戦で5位になり、表彰台にも
乗れませんでした。初めて緊張したみたいで、点を稼ぐ目玉演技をことごとく失敗。それを見た関東代表のライバルたちが、こぞって無難な演技に切り替えて・・・
by fanfan (2014-04-15 12:07) 

ポッポ

すごく印象的なカバーですね。
最近は電子書籍に切り替えたので便利で手軽な反面、カバーに魅せられてというのがなくなりました。
解説のところで引用されていたeメールの文章を読むと、すごく心に寄り添った感じなのに、女性描写がちょっと…と言うのは不思議ですね。
by ポッポ (2014-04-15 13:02) 

liang

私もカバーがいいな、と思いました。
私は海外の女流作家の作品の訳が男性翻訳者ですごく違和感を感じることがあります。あるシリーズもので5冊ぐらい読んだところで耐えられなくなり出版者にメールしましたが、大御所らしくそのままでした……( ´-`)

by liang (2014-04-15 14:26) 

昆野誠吾

一人より複数でいるほうが孤独を感じるって
よ~~くわかる気がしますね。
以前勤めているときは上司2名以外は居なかったので
同僚のいないことに、ふと寂しさを覚えましたが
今は一人で仕事してますがあまり感じません(笑
by 昆野誠吾 (2014-04-15 18:04) 

keroyon

みなさま、ご訪問・コメント・niceをありがとうございました!

★よーちゃんさまへ
 すみません・・(^^; 何様~~?ですよね・・。
 『ふつう』というのは、『特別好きでもなく』・・ということで(^^;
 恋愛小説(とくに男性作家さんの)は、私はあまり好みではない
 かも・・です。
 直木賞作品も本当、ジャンルはいろいろですね。
 私は「下町ロケット」みたいな感じの作品が好きかなぁと(^^)

★ハリネズミさまへ
 私、男性作家さんの「恋愛小説」はあまり好みじゃないかも・・です。
 もともと「恋愛小説」じたいが好みじゃないかも・・ですが(^^;
 (恋愛ドラマは見ます)
 この作家さん、「文章が堅い」との批評があったそうですが、
 そうでもないんじゃないかな~と私は思いますが・・。
 でも3冊読んだだけなので、他の作品は分からないんですが・・。
 この本から、なぜか?以前の職場でのことを思い出しました(^^)
 お昼休みは45分しかなく、社員食堂はタダのような安さだったので
 そこではお昼は社員食堂利用でした。
 難波でしたけど、駅からは少し離れていて、昼時間も短かったので
 基本、外食という考えはなかったです。
 そこを離れてみて、お昼の補助も恵まれていたんやなと実感しま
 したけど(^^) お弁当持参になったのは、そこを離れてからです。
 私も、ハリネズミさまのように、「コンビニで買ってきたものを
 会議室で食べる」なら、外食にしちゃうかも・・。
 それか、弁当持参で・・。
 あの頃は、「お昼を一緒に食べる人」や「社員旅行で行動をともに
 する人」が誰もいなくなったらどうしよう・・ということが
 かなり切実な悩みでした~。

★はるゆうなおさまへ
 社食で1人ってちょっと辛いものがありますよね・・。
 もし今も、そこで勤め続けていたら、私はどうしていたかしら・・。
 あと、「社員旅行や会社行事で一緒に行動する人」がいなくなったら
 どうしよう・・という悩みもありました(^^;
 今は基本、一人行動が多いですけど、そういう中での一人行動は
 「気楽でいいや」と思う反面、ストレスがたまりそうですね・・。

★fanfanさまへ
 いつもありがとうございます!
 100キロマラソンは、今回初めて富士五湖に行ってきます。
 お天気が心配ですが、条件はみんな一緒ですもんね・・。
 「黒い瞳」、音月さん、舞羽さん、未涼さんのキャストも合ってそう
 です!あの作品は本当、すばらしいと思います。
 宙組、ベルばらよりも、そういうのを再演していただきたいです~。
 記念切手、やはり「2シート」ですよね(^^)
 全国大会、5位でしたか!
 表彰台は逃したようですが、すばらしい成績でしたね!
 やはり、当日になって、ライバルたちの演技を見た上での
 「かけひき」のようなものがあるんですね・・。
 今後のご活躍が楽しみですね!
 また、お写真等ありましたら拝見したいです!

★ポッポさまへ
 たぶん、私が、「男性作家さんの恋愛小説」があまり好みではないと
 思うんです・・。
 この作家さん、以前読みました2冊(特に「私という運命について」)は
 好きな作品ですし、今回の「解説」によれば、本当、温かい方なんや
 なぁと思いますし・・。
 電子書籍、便利そうですが、まだ経験なく・・。
 カバー等は見れないんですね。
 私はわりと「ちょっと戻って」とか「少し前のところを読み返して」
 とかも多いので、本は原始的に「ふつうの」がいいな~と思います。
 (関係ないですが、手帳・家計簿も「手書き」派(^^) )

★liangさまへ
 このカバー、けっこうインパクトありますよね~。
 翻訳も、やはり男性と女性では表現などが微妙に違ってきたり
 するんですね。
 私、恋愛ドラマは見ますけど、男性作家さんの恋愛小説はあまり・・
 なのかもしれません・・。

★昆野誠吾さまへ
 知っている人がいる中での一人・・はやっぱりさみしい気がします。
 まったくの一人は気楽なんですが・・(^^)
 若かりし頃は、やっぱり、同期とかいてほしいと思うかも・・
 ですが、今は少人数でも特に何とも思わなくなりました(^^)
 かえって気楽でいいかも・・とか。
 お一人でお仕事は、気持ちはラクかも・・ですけど、すべて自分で
 ですので、大変でしょうね・・。すごいです!
by keroyon (2014-04-15 23:18) 

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